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Bestshot10
第28回 富嶽十景
太宰治の「富嶽百景」では「まんなかに富士があって、その下に河口湖が白く寒々とひろがり、近景の山々がその両袖にひっそり蹲(うずくま)って湖を抱きかかえるようにしている。私はひとめ見て、狼狽し、顔を赤らめた。これは、まるで、風呂屋のペンキ画だ。芝居の書割(かきわり)だ。どうにも註文どおりの景色で、私は、恥ずかしくてならなかった」と「富士山」の景観の俗物性を描写している。それでも、あるいは、それだからこそ日本人の心をつかんで離さない、どこからみても完璧な美形の山なのだ。だからなにも無理して世界文化遺産などにしなくても、そっと日本の宝物にしておけばよかったのだ。そんな富士山を折々に撮ってみた。
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