典然
Tourist
観光関係の調査研究機関をリタイヤして、気儘に日本中を旅する単なるtouristです。
日本の佇まいをカメラに収めたものをつれづれにサイトへアップしました。観光写真でもなく、アートでもない、「典然」視線でシャッターを切ったものです。
私は、「佇まい」という言葉が好きです。この言葉には、あるべきものがあるべき場所にあるという、ことが伝わってくる言葉だから。単に建物や風景だけではなく、人間の暮らしや、生業、そして、生き方まで表現されています。折々の、所々の日本のたたずまいを画像として思うが儘に切り取りたいと思い、このホームページにしました。
ご意見、ご感想があれば、問い合わせ先までメールにてお願いいたします。
私にとっての「日本の佇まい」
私は、18歳まで海無し県の盆地で育った。当然のことながら、周囲を山に囲まれ、遊び場の大半は、山の辺か、裏山、ちょっとした遠出は、千メートル級の山へのハイキングだった。その原体験からか、いまでも、それに似た風景が出会うと、自らが居るべき場所にいることを実感するのだ。面白いことに、海景では、いくつになってもたじろぐ。幼少の頃、初めて見た静岡の沼津の海には、海水浴場だったから、それほど激しい波ではなかったと思うが、怯えた記憶がある。そのせいかどうかは別としても、いまでもつねにその雄大さに圧倒されてしまい、海景の素晴らしさに胸高鳴るものの、どこか心落ち着かない。
一方、日本の街の風景を否定するというわけではない。都会の風景はその異和感から逆に、技術の粋を集めた建造物、職人技の造園にも感動は呼ぶし、都会の孤独感も心地良いものがある。とくにアジア的な猥雑な街は、そこは自分の居る場所でないと、思いつつ、惹かれるものがある。
もちろん、あざとく、過大に投資された施設や道路に忌避感も持つが、でも、それを含めた風景が現在の日本の佇まいなのだ。好き嫌いを超えて私の見た、感じた、これがいまの「日本の佇まい」だ。 典然