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公共・歴史資産
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日本の建物
建物の構造や形は、当然ながら、その国の風土、文化が反映、表現される。日本の場合は北は北海道から南は沖縄まで緯度の差が大きく、そのうえ、海流の関係で、気候も地方ごとの大きな差異がある。これが建物にも影響を与えている。神社仏閣はさらに時代の流れを映し、日本人の信仰のあり方を正確に表出する。その意味では、きわめてバリエーションが豊かな撮影対象だ。しかし、建築技術の発展とともに、建物の画一化が始まり、とくに、民家と中小規模のビルは、目を覆わんばかりだ。どの地方にいっても同じパターンのものが立ち並び、それも、大規模建築メーカーがそれぞれ競い合って開発するので、全体としての景観は不統一感があって、地方の特色を完全に失わしめている。 しかも、地方経済の崩壊や人口減少によって生活感を失ったり、生産構造の変化により、伝統的な家並みが成立していないのに、まさに物への投資として、書割のような、伝統的な家並みの再生をさせようとしている。一方では圧倒的な大きさ、高さ、長さなどで、技術の粋を集めた建造物が話題を呼ぶ。それはそれで、感動的であり、日本の技術を示すものであり、新しい日本の風景として我々自身が、認識する必要はあるだろう。醜かろうが、感動的であろうが、書割的であろうが、それを引き受けて、全部がいまの日本の建物だ。 典然
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